TASAKI ファンドから100億円で自社株買い取り
- 2015-06-12
宝飾品販売のTASAKIは、筆頭株主の投資ファンドが保有する同社株式の一部を買い取る方針を固めた。総額は100億円にのぼると見られている。業績が回復していることから、投資ファンドが保有する株式を買取り、市場に流通する株式数を減らして1株当たりの株主価値を高める考え。同時に2015年10月期に8期ぶりに復配し、年間40円配当を実施する方針で、自社株の買い取りと合わせて株主還元を高める。
現在は筆頭株主の投資ファンドMBKパートナーズは優先株1株を普通株4株に転換できる優先株を350万株保有しており、すでに普通株への転換方針を明らかにしている。転換後のTASAKIの発行済み株式数は約1780万株と従来の約5倍に拡大する。TASAKIは転換された普通株を買い取り、市場で流通する株式数を減らす。
11日終値換算で約300万株となる。TASAKIの買い取り後も、MBKが株式の過半を保有する。出資時に比べ企業価値が大幅に向上しており、引き続き投資資金の回収に向けて売却先を探すとみられている。
TASAKIは自社の養殖場を持つ真珠大手として、ミキモトと並び国内外で高い知名度を持つ。白色が特徴の日本産のアコヤ真珠を使ったネックレスや指輪などが人気を集める。米国人デザイナーを起用。「バランス」などの宝飾品が伸びており、15年10月期の連結純利益は前期比2.1倍の24億円と、24年ぶりに過去最高を更新する見通し。