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大ガス 武田の化学品子会社を約100億円で買収

2015-03-21

 大阪ガスは武田薬品工業の化学品子会社、水沢化学工業(東京・中央)を約100億円で買収する方針を固めた。水沢化学が得意とする食用油精製の技術や販売経路を取込み、化学事業を育成する。主力のガス事業は地元関西の経済低迷や、2017年のガス小売り全面自由化で業績悪化が予想される。収益源を多様化し、グループの収益力を高める。

 4月にも最終合意して発表する。水沢化学は創業78年の老舗化学メーカーで、主に食用油を精製して不純物を取り除く吸着剤を製造・販売する。2014年3月期の売上高は101億円、営業利益は8億円。大ガスは化学系子会社を通じ、過半を握る筆頭株主の武田薬品や個人株主らから全株を取得する。

 大坂ガスは1994年まで石炭から都市ガスを製造し、石炭由来の成分をベースにした化学事業のノウハウを持つ。スマートフォン(スマホ)などのカメラレンズ用樹脂や液晶用ブラックマトリックス樹脂の世界シェアは5割を超えている。14年に約380億円で北欧の活性炭メーカーを買収するなど、化学分野に経営資源を投じてきた。

 大ガスの化学事業の15年3月期の売上高は507億円で、部門利益は42億円を見込む。グループ全体に占める比率はいずれも3~4%にとどまっている。食品など景気に左右されにくい業界に販路を持つ水沢化学を買収し、化学事業の年間売上高を早期に1000億円規模まで引き上げる。

 営業基盤の関西では人口減少が続き、エネルギー市場は首都圏に比べて見劣りする。すでに自由化されているガスの大口分野では関西電力の攻勢が激しい。17年の全面自由化後は関電や石油元売りとの競争激化で本業のシェア低下は避けられない。

 大ガスはこのほど化学や情報などの「ライフ&ビジネスソリューション」分野にM&A(合併・買収)など575億円を投じる16年3月期の経営計画を発表した。エネルギー分野に続く収益源の育成を狙い、投資が一段と活発になると見られている。

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