大林組 米で中堅建設会社買収、海外インフラをテコ入れ
- 2014-11-24
大林組は米でインフラ工事を手掛けている中堅建設会社クレマーを買収した。買収額は数十億と言われている。
大林組は1970年代から北米に進出。2007年に同業の米ウェブコー、11年にはカナダのケナイダンを買収している。14年3月期の海外売り上げは全体の約2割にあたる3000億円。このうち北米が約1600億円を占めているが、ビル建築などが中心でインフラ関連は2割にとどまる。買収により比較的に手薄だったインフラ関連をテコ入れする。
東日本大震災からの復興需要や東京五輪に向けたインフラ整備などで、国内の建設投資は足元では堅調に推移している。大手建設各社の業績も全体に好調で、大林組も連結決算の開示を始めた00年以降で最高となった。
しかし、将来の人口減少により国内需要の落ち込みは避けられそうになく、海外事業の強化は大きな課題としている。国内建設需要の落ち込みを見据え、海外事業を伸ばす。
建設大手では鹿島が早くから北米に進出している。国内建設コンサルティング最大手の日本工営も英同業の買収合戦で敗れたが、M&Aによる成長を模索している。