みちのりHD 湘南モノレール買収
- 2015-05-23
経営共創基盤の子会社で公共交通の再生を手掛けるみちのりホールディングスが湘南モノレールを買収する。みちのりHDは湘南モノレールの株式90%超を取得。年間利用客数は横ばい状態が続いていたため、広域からの誘客などを進めることで経営基盤を強化し、地域活性化につなげる。
みちのりHDは22日付で、湘南モノレールの株式55.2%を保有する三菱重工業と株式譲渡契約を締結する。三菱電機と三菱商事がそれぞれ18.4%ずつを持つ湘南モノレール株も買い取り、計92%を取得。買収額は明らかにしていない。
湘南モノレールの田中孝治社長は続投し、残りの取締役5人は退任すると見られている。みちのりHDは6月上旬に複数の取締役を派遣する。社員105人の雇用は維持する。
みちのりHDは湘南モノレールの買収について、地域の交通機関としての役割を引継ぎ、バリアフリー化をはじめとした利便性の向上に努め利用者の増加による成長を目指すという3点を基本方針にしている。
横ばい状態が続いている利用客数については、広域誘客や運行ダイヤの利便性向上などを通じ、数%程度の伸びを目指している。沿線住民の高齢化を見据え全8駅の半分しか対応していないバリアフリー化も急でいる。
湘南モノレールは大船(鎌倉市)―湘南江の島(藤沢市)間の6.6キロメートルを結んでいる。
みちのりHDの松本順社長は22日、鎌倉市内で記者会見し、「(湘南モノレールは)地域の重要なインフラ。維持・発展に向け精いっぱい取り組む」と述べている。
みちのりHDは傘下に福島交通や茨城交通など5つの交通・観光事業会社を持つ経営支援会社。