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「Z会」の増進会出版社 栄光HDにTOB

2015-05-19

 通信教育の「Z会」を手がける増進会出版社(静岡県長泉町)は学習塾の「栄光ゼミナール」などを展開する栄光ホールディングス(HD) を19日に買収すると発表。買収額は約137億円になる見通しで、少子化による教育市場の縮小をにらんだ通信教育大手と学習塾最大手の統合で、業界の合従連衡が加速する可能性が高まっている。

 増進会は子会社のZEホールディングスを通じて、6月19日から7月31日までTOB (株式公開買い付け)を実施し全株の取得を目指す。現在は栄光HD株の約29%を保有する第2位株主。2009年に業務資本提携し、人材や教材の相互供給などを通じて協力関係を深めていた。

 一方、筆頭株主の進学会は子会社を通じ栄光HD株約30%を保有する。栄光HDが20日から実施する自社株の公開買い付けに応じ保有株式すべてを手放す。約3%を保有する第4位株主の学研ホールディングスも栄光と提携関係にあり、協力的な対応を取るとみられる。

 栄光HDの買収で増進会の連結売上高は600億円を超える見通し。通信教育と学習塾を両方展開する業態としてはベネッセホールディングス(15年3月期の連結売上高4632億円)、学研ホールディングス(14年9月期の連結売上高901億円)に次ぐ規模になる。

 増進会は大学受験に強く、栄光は小中学生の指導に定評があり、橋渡しの体制を整えることで、生徒の囲い込みが期待できる。また、栄光が強みとする対面教育のノウハウや教材の販売力を生かし、教育サービスの競争力を強化する方針だ。

 増進会、進学会、栄光の3社はこれまで、栄光の経営の主導権を巡って激しい綱引きをしてきた。内部分裂で中堅予備校さなる(東京・新宿)に株を押さえられた栄光が11年にホワイトナイト(白馬の騎士) として頼った相手が進学会。しかし進学会が徐々に発言力を増したため、栄光は次に増進会との提携強化でバランスを取ろうとした。

 一時は3社協力が成立する局面もあったが、結局は12年6月に栄光が進学会に業務提携の解消を通告。以来、栄光と進学会は没交渉となっていた。

 膠着した状況の打開に動いたのは増進会の藤井孝昭社長で、3月中旬に札幌の進学会本社を訪れ事情を説明。進学会側が「安定株主である必然性は小さくなった」(平井崇浩社長)と折れた。

 

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