帝人 人工関節に参入 メーカーに15億円を出資
- 2015-02-23
帝人は人工関節事業に進出すると23日に発表。プロペラ製造大手、ナカシマホールディングス(岡山市)傘下の人工関節メーカーに15億円を出資し、全株式の50%を取得する。帝人の素材技術を活用した新たな人工関節の開発も目指す方針だ。ヘルスケア分野で医薬品、在宅医療に次ぐ第3の柱と位置づける。
出資するのはナカシマメディカル。4月1日付で株式を取得し、社名を「帝人ナカシマメディカル」に変更する。帝人グループの帝人在宅医療の坪倉正行取締役を社長として派遣する。
ナカシマメディカルの現在の売上高は約30億円。人工関節は米ジンマーなど欧米メーカーが強く、国内シェアは3%程度にとどまっていた。資本提携で2020年までに100億円規模に拡大することを目指す。
帝人は骨粗しょう症治療薬などで整形外科の医師への営業網を持っており、人工関節の市場開拓にも活用する。将来は帝人の高分子素材や炭素繊維を生かした新たな人工関節や手術器具の開発にも取り組む考えだ。
帝人のヘルスケア事業の売上高は15年3月期に1400億円を見込む。医薬品のほか、在宅医療で使う酸素濃縮器や人工呼吸器などを扱う。中期経営計画ではヘルスケア事業を重点戦略事業に位置づけている。