住友化学 米農業資材ベンチャーを40億円で買収
- 2015-03-03
住友化学 は微生物技術を活用した土壌改良剤や生育促進剤を手掛ける米ベンチャー企業、マイコライザル・アプリケーションズ(オレゴン州、MA)を買収。買収額は40億円程度。微生物の働きで、トウモロコシや小麦といった作物の成長を促進し、収穫量増につなげる。住友化学が持つ販路を生かし、米国以外のブラジルや欧州に製品を拡販する。
米国子会社、ベーラント・バイオサイエンス(イリノイ州)を通じてMAを完全子会社化した。MAは米国を中心に、微生物の一種である「菌根菌」を使った農業資材を展開している。
菌根菌は一般に土の中に生息する。土壌改良剤や生育促進剤として土にまくと、菌が作物の根に付き、水や養分の吸収を助ける。作物を大きく育てられるほか、与える水や肥料の量を減らして農業のコスト削減につなげられる。微生物技術を活用した農業資材の世界市場は年間300億~400億円で、年率10%以上で成長している。住友化学は菌根菌事業で、10年後に100億円規模の売上げを目標としている。
農薬など既存の製品と組み合わせてブラジルや欧州でMAの微生物農業資材を販売。作物の種子に菌をコーティングするといった技術開発も進める。