日立造船 独バイオ燃料会社を買収 ごみ処理施設事業を加速
- 2015-03-09
日立造船はごみからバイオ燃料を作る技術を持つドイツのMTバイオメタン(ニーダーザクセン州)を買収した。MT社はごみを発酵させて出るメタンガスを燃料用に精製する設備を製造し、欧州で約2割のシェアを持っている。日立造船は買収をテコに、欧州でごみ処理施設事業を強化する考え。
MTバイオメタンの2013年度の売上高は約20億円。経営破綻した親会社の独MTエナジーから、数億円で工場や社員などを日立造船が引継いだ。
ごみを発酵して生じるガスには二酸化炭素(CO2)が混じっている。用途は発電機の燃料などに限られるが、純度を高めると自動車用燃料などとして販路を広げることが可能だ。MTバイオメタンは触媒などでCO2を取り除き、メタンの純度を99%超に高める技術を持っている。
日立造船は、昨年欧州で買収したごみの発酵設備建設会社とMTバイオメタンの技術交流を進め、相乗効果を生み出したい考え。欧州事業の年間売上高を早期に13年度比2割増の500億円規模に引上げる計画だ。