パナソニック 米衛星通信を買収 船舶・鉱山機械向け
- 2015-03-16
パナソニックは米国の中堅衛星通信サービス会社であるITCグローバル社(テキサス州)を買収すると16日に発表した。ITCグローバルは船舶や鉱山機械向けに通信サービスを提供しており、年間売上高は100億円弱。買収額は数百億円規模とみられている。パナソニックは民間航空機向けに通信サービスを手掛けている。買収により衛星通信事業を安定収益源に育てたい考えだ。
ITCグローバルは2001年創業の新興企業で従業員数は約200人。米国のほかスイスやオーストラリアに拠点を持つ。衛星運営会社と契約し、現在は世界70カ国で船舶や鉱山機械など向けに通信事業を展開している。商船向けなら遠隔地でも電話のほか、メールや運航情報など様々なデータのやりとりができる。鉱山機械向けでは資源開発会社が稼働状況などのデータを把握できる。
パナソニックは創業者など既存株主からITCグローバルの全株式を取得する。買収の完了時期は明らかにしていない。買収後も独立した子会社として運営し、現在の経営陣は続投する。
パナソニックは米子会社のパナソニックアビオニクス(カリフォルニア州)を通じ、民間航空機向けの衛星通信サービスを展開している。航空機内で映画などを楽しめるエンターテインメントシステムでも8割弱の世界シェアを持つ。今後は次世代の衛星通信網を使い、従来以上に高速かつ大容量でデータをやりとりできる航空機向け通信サービスも準備している。