楽天 米電子図書館最大手の買収を発表 495億円で
- 2015-03-19
楽天は19日、電子図書館事業の最大手、米オーバードライブ(オハイオ州)を買収すると正式発表した。買収額は4.1億ドル(約495億円)。オーバードライブは世界各国の図書館に貸し出し用の電子書籍 を販売する。楽天は自社の電子書籍サービス「Kobo(コボ)」による電子書籍との連携で、世界での利用者獲得を目指す。
楽天が4月中にオーバードライブの全株式を取得し、完全子会社にする。同日、都内で記者会見したコボ担当の相木孝仁常務執行役員は「楽天の電子書籍事業を中期で1千億円以上のビジネスに育てる」と強調した。
オーバードライブは公共図書館などに貸し出し用の電子書籍を出版社などから仕入れて販売する。図書館は購入した冊数に応じて、期間を設けて貸し出しできる。消費者は図書館が扱う電子書籍を自分の端末に取り込んで期間内だけ無料閲覧できる。
現在、世界約50カ国で3万超の図書館や大学を顧客に抱え、2100万人が利用する。同社のスティーブ・ポタッシュ社長は「米国の図書館で電子書籍が浸透し、世界でも大きな需要が今後見込める」と強調した。
楽天は日本をはじめとする各国の図書館に展開していく。コボでオーバードライブが持つオーディオブックなどの取り扱いも検討する。2012年に買収したコボとの相乗効果で電子書籍事業の拡大を狙う。